近年、食への安全・安心志向が高まり販売方法も多様化してきています。
幸いにも京都府北部綾部市には、地産地消に取り組んでおられるグループの方々が沢山いらっしゃいます。
当店で使用している、小豆は綾部市新庄町小豆生産組合生産の(黒さや丹波大納言小豆)で、朝霧が深い風土が高品質な小豆を生み出している、大粒で表皮が薄く形が俵のようで煮ると小豆の風味もよく、しかも煮崩れせず腹割れがないことから「殿中で抜刀しても切腹しないですむ」官位から、大納言小豆と名付けられたと言われています。
生産者の高齢化や後継者不足などで生産量が少なく大変希少価値の高い素材で手間のかかる「手選り」という 選別を行った大納言で、そのため産地を偽ったものなどが出回っているようですが(当店で使っている丹波大納言は京都の和菓子原材料専門店)より (産地証明) を受けています。
綾部市の産業振興に貢献している団体や個人を表彰する(永井奨励賞の受賞者)が同市の「新庄小豆生産組合」 こだわりの小豆栽培と和菓子の作り手との交流が評価された。
同生産組合は1990年設立。市内の新庄町や坊口町などの23戸が約6ヘクタールで小豆を生産している。
麦との輪作で乾きやすい土壌の維持や良質な種子の選抜、朝霧が深い風土が高品質で手作業での収穫などにこだわる。
京都市の和菓子原材料専門店に出荷し関東地方や京都市の有名和菓子店などに使われているという。和菓子店主や東京製菓学校の学生を招き畑の見学会や収穫体験も行う。生産面の工夫に加えて、後継者の育成に努めながら受賞に値する小豆をこれからも育てていきたい」と話している。
永井賞の表彰は、綾部市出身でホームセンター大手「ケー」の創業者・永井幸喜氏の寄付をもとにした市永井産業振興基金を活用して綾部市が実施している。
((京都新聞 2008年12月16日より抜粋))
特に丹波地方(京都・兵庫の二府県の及ぶ)は、気候において昼夜の温度差があり、霧が多く小豆の生産に 適しており、二百数十年にもおよぶ栽培技術の蓄積は、今なお伝統として息づいています。 丹波市春日町東中には、大納言小豆発祥の地の石碑があります。
小豆は日本において、たいへん古くから栽培されており「古事記」や「日本書紀」に記録があるところから中国より伝わったのは、3~8世紀の間と言われています。語源・由来は「赤粒木」や朝鮮語からの転訛説などがありますが、 明らかではありません。
「延喜式」(927年)などの古書には、宮中の儀式や吉事、凶事に使われたり、邪気を払うとして正月15日に 小豆粥を食することなどの記述があります。また赤い色を、日本人は魔除けの色としてきたため水田や畑の周囲に小豆を植え小豆垣を作って、病原菌や野獣の田畑への侵入を防ぐまじないとするなどさまざまに小豆を利用してきました。
現在においても赤飯などは祝い事に欠かせないものとして扱われています。